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包装見聞録 第3回:地球編 ‐脱プラパッケージ‐
2023年9月1日
こんにちは。 協進印刷企画設計、シニアアドバイザーの千田建一です。
今回は、いっきに視野を広げ地球全体についての見聞録。
旅先で見かけた脱プラスチック事例
皆様もニュースなどでよく耳にするかと思いますが、マイクロプラスチックの問題について、パッケージ設計者の目線で何か出来ることはないかと考えてみました。
環境中に存在する小さなプラスチック粒子を、海洋生物などが摂取することにより生態系に悪影響を及ぼしたり、海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されています。
これらは5mm以下と微細で、一度海に流出すると回収が困難なうえ、数百年も自然分解されることなく環境中にとどまるとされています。
近年、世界的にもプラスチックの発生量の抑制や回収を目指す取組みが始まってきています。
パッケージの分野でもプラスチック製品の使用を抑えた製品づくりを見かけるようになってきました。
写真1はスウェーデンのスーパーマーケットで展示されていたボディシャンプーの詰め合わせのパッケージです。通常行うプラスチックフィルムの窓貼りを行わず、ボトルの形にカットし、直接製品が見える設計が行われていました。
従来はカット穴よりホコリやごみが入ってしまう為、避けている仕様です。
写真2はカナダのスーパーマーケットで見かけたシェーバーのパッケージです。
やはりプラスチックフィルムの窓貼りをせず、シェーバーの形にカットし、直接製品が見える設計としていました。
写真3も同様にプラスチックフィルム貼りをせず、パッケージ中央に四角いカット穴を設け、中の製品が見える設計としたものです。
写真4はパッケージ下半分を開け、美容オイルを直接しっかりと見えるようにした設計で、大変力強い訴求力のあるパッケージに仕上がっています。
今回の記事で取り上げている写真は、2016〜2018年頃に撮影したものです。
マド貼り無しのパッケージを見て「欧米文化らしい割り切り方!」と当時は思いましたが、今では日本でも多く見かけるようになりました。
7年前よりも、脱プラの思想が浸透した為だと思います。
写真5は男性用化粧品のパッケージで、中に入っているボトルのイラストが精密に描かれており、中の製品が直接見えなくてもボトルの形状が伝わります。
文字のみの訴求より製品クオリティがわかる表現になっています。
従来のスタイルに捉われない設計意識をもって
SDGsの掲げる17の目標、達成するためには身近なものからでも意識した行動を心がけていきたいです。
12.つくる責任、つかう責任
“生産者も消費者も、地球の環境と人々の健康を守れるよう、責任ある行動をとろう”。
14.海の豊かさを守ろう
私たちが使っているペットボトルやビニール袋などのプラスチックゴミが年間900万~1400万トン(2016年時点)、海に流れ出ています。
環境に負荷をかけず持続可能な地球環境を維持していくために、私たちだからできることもある。
小さな事からでもコツコツと取り組んで行ければと思います。
(株式会社協進印刷 元シニアアドバイザー 千田建一著)
編集後記:協進印刷では、製造・流通・販売・保管の目的を一旦クリアしたパッケージのその後も考え、企画・設計に注力しております。今回のコラムにもある様に従来のスタイルに捉われずに製作の方向性を広げていきたいと考えております。販売システムにマッチするパッケージの作成、または今現在の製品の改善はもちろんのこと、環境に配慮した設計などのご相談もお気軽にお問い合わせください。
新たな発見とともに、ご提案・サポートさせていただきます。