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SCANPACK2018で再認識したキーワード「Easy to open」

包装見聞録 第2回:スウェーデン・イエテボリ編(前編)
SCANPACK2018で再認識したキーワード「Easy to open」

2023年4月4日

こんにちは。 協進印刷企画設計、シニアアドバイザーの千田建一です。

SCANPACKはスウェーデンのイエテボリ(ヨーテボリ)で3年に1回開催される北欧最大の包装関連の展示会。 今回は2018年に私が初めてSCANPACKを訪れた時、とても興味を引かれた展示について紹介させていただこうと思います。 (開催期間:2018年10月23日~26日)

スウェーデンの街並み

スウェーデン・イエテボリ(ヨーテボリ)の街並みです

展示会が開催されたイエテボリは運河沿いに美しい建物が立ち並ぶ港街で、大学・美術館や博物館などが多く教育・産業・文化と様々な魅力があるスウェーデン第2の都市。

「設計アイデアの原点は旅にある」

まずはイエテボリの街でも、コンビニ・スーパー・デパートなどでパッケージの傾向を見て楽しみました。

お米のパッケージ

アラビア語が書かれたお米のパッケージ

果物をピューレにして伸ばし乾燥させたお菓子fruktläderのパッケージ。
英語だと “fruit leather”(フルーツレザー)になるそう。

RUM for PAPPER
ネットで調べたところ、紙のアドバイス、招待状や名刺〜パンフレットなどのグラフィックデザインや印刷、封筒の作成などを取り扱うお店。3人のエキスパートがいていろいろ相談にものってくれるそうです。
美しい製品が彩りよく並び(なかには和紙(WASHI)や日本の製品も!)見応えがあります。

SCANPACK2018へは『Usability for packaging design』について講演を行うため足を運びました。 日本・スウェーデン外交関係樹立150周年を記念した日本デザインのセミナーです。

ニュースリリース → https://kyoshin-pr.co.jp/news/scanpack-2018/

その際、会場内の様々な展示も見て回ってきました。北欧最大ともあり出展者450社、来場者は17,000名。 数多くの魅力的なブースに出会いました。

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SCANPACK2018 会場正面での記念撮影

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SCANPACK2018 会場内部

精度の高い設計の展示什器

意見交換の場としてのブーススペース「Let’s talk!」

設計する姿勢に“気付き”を与えるブースに出会う

ある展示ブースに「Easy to open」(開封しやすさ)とあったので、どんな製品が展示されているのかと 興味を引かれて行ってみました。
すると、係の人に分厚い手袋を渡されました。その手袋の内側にはプラスチックの骨組みが入っていて、手にはめてみると指がとても動かしづらくなりました。 その状態のまま市販されている商品を渡され「パッケージを開けてみてください」と言われたので、開けようとすると…,

普通の4枚フラップのトップジッパーでしたが、開封するのに大変手間取りました。

今、日本でも高齢化社会が話題になっており、様々な対応が検討されています。このブースでは高齢者の手の動きを体験することで包装面でも見直しをはかったらどうだろうか、と投げかけていました。

展示されていた幾つかの包装物は開封性を改善されたものではない現状のもので、これをきっかけに「解決策を考える場」を提供する展示でした。

包装にとって「Easy to open」(開封しやすさ)は基本的なテーマです。

今までも高齢者に対しての開封性を考慮して設計はしていたものの、今回の経験を通してより深く考えさせられました。わかっていることでも再度問いかける設計姿勢が必要だと、改めて感じさせられる展示でした。

編集後記:
協進印刷では、製造・流通・販売・保管の目的を一旦クリアしたパッケージのその後も考えた設計にも取り組んでいます。今回のコラムにもあります「Easy to open」(開封しやすさ)は基本的なテーマとしており、実際にパッケージを手に取る方々とのコミュニケーションを重要視しております。
販売システムにマッチするパッケージの作成、または今現在の製品の改善、お困りごとなどございましたらお気軽にお問い合わせください。
ご提案・サポートさせていただきます。

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